特集 消化管ポリポーシス2000
各論
家族性大腸腺腫症の大腸外腫瘍状病変
飯田 三雄
1
,
小堀 陽一郎
1
,
水野 充
1
,
松本 主之
2
1川崎医科大学消化器内科Ⅱ
2九州大学医学部光学医療診療部
キーワード:
家族性大腸腺腫症
,
大腸外腫瘍状病変
,
上部消化管病変
,
消化管外病変
Keyword:
家族性大腸腺腫症
,
大腸外腫瘍状病変
,
上部消化管病変
,
消化管外病変
pp.327-336
発行日 2000年2月26日
Published Date 2000/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104809
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要旨 家族性大腸腺腫症と診断された自験73例を検討し,その大腸外腫瘍状病変の診断と取り扱いについて述べた.上部消化管病変として,胃病変(胃底腺ポリポーシス,腺腫,癌)が74%,十二指腸病変(腺腫,癌)が88%,十二指腸乳頭部病変(腺腫,癌)が57%,空腸病変(腺腫)が62%,回腸病変(腺腫)が19%の頻度で認められた.胃・十二指腸腺腫は,長期経過観察でほとんど不変であり癌化もみられないことより,予防的手術の必要はなく側視型内視鏡を用いた定期的検査のみで十分である.一方,消化管外病変として,骨病変が80%,軟部腫瘍が37%,眼病変が55%,甲状腺腫瘍(腺腫,癌)が8%,その他(膵癌,肝細胞芽腫)が3%の症例で認められた.大腸手術後もこれらの病変(特にデスモイド腫瘍,甲状腺癌,膵癌など)に対するサーベイランスが必要である.
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