--------------------
書評「腎機能低下患者への薬の使い方」
斎藤 明
1
1東海大学総合医学研究所
pp.1610
発行日 2002年11月25日
Published Date 2002/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104598
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
最近,順天堂大学医学部腎臓内科の富野康日己教授編集による「腎機能低下患者への薬の使い方」が医学書院から刊行された。腎機能低下患者への薬剤投与は,臨床医にとり日常臨床の中でしばしば遭遇し,薬剤の特徴に応じ,また腎機能低下の段階に応じて投与量と投与方法を変えることを必要とされる,難解な領域の1つと考えられる.
まず,薬剤の排泄部位が腎臓か肝臓かにより薬剤投与量が異なることになる.肝排泄性薬剤では通常投与量でよいが,腎排泄性の比率が高い場合には,腎機能の低下レベルに応じた投与量の減量が必要となる,蓄積により腎障害を引き起こす薬剤やその他の副作用を引き起こす薬剤があり,その薬剤ごとの有効血中濃度と蓄積による副作用の種類や発現との関連性を知る必要がある.一般に,腎機能低下レベルが大きくなるに従い,腎排泄性薬剤の蓄積が著しくなり,投与量,投与間隔を大きく変える必要がある.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.