Japanese
English
今月の症例
多発性消化管カポジ肉腫の1例
AIDS-related Multiple Kaposi's Sarcomas of the Gastrointestinal Tract, Report of a Case
澤山 泰典
1
,
矢野 祐二
1
,
裵 英徳
1
,
林 純
1
,
柏木 征三郎
1
,
檜沢 一興
2
,
青柳 邦彦
2
,
松本 主之
2
,
綾部 俊一郎
2
,
古賀 秀樹
2
,
山本 智文
2
Yasunori Sawayama
1
1九州大学総合診療部
2九州大学第2内科
pp.690-691
発行日 1996年5月25日
Published Date 1996/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104147
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〔患者〕40歳,男性,両性愛者.輸血歴なし.1994年2月ごろから高熱,全身倦怠感を認め近医を受診した.HIV抗体陽性で,カリニ肺炎の診断で3月28日当科紹介入院となった,入院時,右耳介後部・顎下・頸部リンパ節を触知した.歯肉に径8mm大の暗赤色の腫瘤あり.頭頸・鼻翼・前額・前胸部・両下肢および両足底に黒紫色の皮疹を認め,CD4細胞数は130/μlと低下していた.3月31日,激しい上腹部痛および吐血がみられ内視鏡検査を施行した.胃体部・噴門部・十二指腸に多発性の発赤した隆起性病変を認め,噴門部の隆起の一部から出血がみられたため,エタノール注入による止血処理を行った.
〔上部消化管X線所見〕体部を中心に胃全体にわたってbridging foldを伴う多数の大小不同の隆起性病変を認めた(Fig. 1a, b).
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