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書評「日本の医療費―国際比較の視覚から」
岡本 悦司
1
1近畿大学医学部公衆衛生学
pp.492
発行日 1996年3月25日
Published Date 1996/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104111
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わが国の医療経済分野におけるパイオニア的教科書「医療経済学―臨床医の視角から」からちょうど10年の節目に,著者が再度世に問うたのが本書である.前著を読んで医療経済に開眼した人は数えきれず,最近のわが国の医療経済研究の目覚ましい発展は10年前とは隔世の観さえある.もはや“医療経済学とは何か”など議論する段階ではなく,医療経済学の手法を医療政策決定にどう生かしてゆくか,を議論すべき段階に入りつつある.
その意味で本書は,今後10年くらいのわが国の医療経済研究の方向を示す金字塔と言える.内容も,MRI,透析,高度先進医療,薬剤,リハビリテーションといったミクロ経済分析から,人口高齢化の医療費への影響といったマクロ経済分析まで広範囲にわたっており,新鮮で意外な発見が随所にちりばめられている.
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