特集 図説 形態用語の使い方・使われ方
第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語
b.X線・内視鏡所見用語
ひだの蚕食像(encroachment of the fold,eroded edge of the fold)
川口 実
1
,
斉藤 利彦
1
1東京医科大学内科
pp.386
発行日 1996年2月26日
Published Date 1996/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104058
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ひだの蚕食像(虫食い像)はⅡC型早期胃癌を中心とした陥凹型胃癌に認められる所見で,悪性診断指標の最も重要な所見の1つである.集中するひだの先端にも認められるし,ひだ集中を伴わない場合にも癌の辺縁に認められる.
蚕食像(虫食い像)とは字のごとく,蚕が桑の葉を食べているとき,その桑の葉の形態が似ていることに由来した名称と思われる(虫食い像はネズミにかじられたような感じを表現した名称で“mouse-eate”と訳されている.蚕食像と虫食い像は同じ所見である).Fig. 1に実際に蚕が桑の葉を食べているところを示す.桑の葉の辺縁は微細な不整を示す.
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