特集 図説 形態用語の使い方・使われ方
第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語
b.X線・内視鏡所見用語
大腸“pit pattern”
工藤 進英
1
,
山野 泰穂
1
1秋田赤十字病院胃腸センター
pp.367
発行日 1996年2月26日
Published Date 1996/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104039
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pit patternとは大腸の上皮腺管開口部(pit)の集合体を,その形態の特徴によりパターン化したものである.いわば組織を輪切りにしたのと同じように表面構造を観察したものである.実際には,生体内ではインジゴカルミン,メチレンブルー,クレシールバイオレットなどの色素を用い拡大内視鏡で,また,固定標本ではカラチヘマトキシリン,メチレンブルー,クレシールバイオレットなどで染色し実体顕微鏡で観察できる.
大腸病変のpit patternの解析は小坂1)が277病変の実体顕微鏡観察を行い4型に分類した報告に始まり,多田ら2),西澤ら3)がそれぞれの時点で補足していたが,現在一般的かつ標準的に用いられているものは工藤ら4)~6)の分類である.これは腫瘍性病変1,676病変の実体顕微鏡観察を行い,小坂,多田らの分類を基にして,更に従来のものに加えて陥凹型のpit patternを加味して現在の6型に分類したものである(Fig. 1).
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