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今月の主題 「胃と腸」33年間の歩みからみた早期癌
主題
「胃と腸」33年間の歩みからみた早期胃癌―診断と治療の歩みと展望
The Progress and View of the Diagnosis and Treatment of Early Gastric Cancer
芳野 純治
1
,
中澤 三郎
1
,
乾 和郎
1
,
若林 貴夫
1
,
奥嶋 一武
1
Junji Yoshino
1
1藤田保健衛生大学第二病院内科
pp.19-31
発行日 1998年1月25日
Published Date 1998/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103547
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はじめに
本誌「胃と腸」は1966年に創刊され本号で33年を数えるに至った.本誌に掲載された論文から早期胃癌の診断と治療の道筋について述べるが,早期胃癌の診断は本誌の当初からの課題であり繰り返し取り上げられてきた.既に,早期胃癌の診断の歩みについては“20年の歩み”として20巻1号(1985年)に八尾恒良ら,竹本忠良らにより詳細に記載されている.特に,X線診断について八尾らは「胃と腸」の論文からその成果を記述している.まず,この論文を読まれることをお勧めする.本稿ではこれまでの道筋を取り上げるにあたり,研究者の努力と記述をできるだけそのまま記すことにした.
さて,診断学の進歩は研究者の努力もさることながら,いわば科学技術の進歩と表裏一体である.簡単に述べると,X線検査では暗室での近接撮影装置,遠隔撮影装置の普及,computed radiography(CR)などがある.一方,内視鏡検査では胃カメラ,生検機能の付与,先端カメラ付きファイバースコープ,ファイバースコープ,電子スコープ,超音波内視鏡,鉗子装置の改良などを挙げることができる.これらの機器の進歩が早期胃癌の診断学および治療の進歩を支えてきた.
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