Japanese
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今月の症例
陥凹型微小早期十二指腸癌の1例
Minute Depressed Type of Early Duodenal Cancer in the Third Portion, Report of a Case
郷田 憲一
1
,
多田 修治
1
,
藤本 貴久
1
,
須古 博信
1
,
荒井 光広
2
,
神尾 多喜浩
3
Ken-ichi Goda
1
1済生会熊本病院消化器病センター
2済生会熊本病院外科
3済生会熊本病院病理
pp.1462-1465
発行日 2001年11月25日
Published Date 2001/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103355
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〔患 者〕69歳,男性.1995年より特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenic purpura;以下ITP)および糖尿病の診断で,当院内科外来にて経過観察中であった.2000年7月便潜血陽性を指摘され,上部消化管内視鏡検査にて十二指腸第3部に陥凹性病変を認めた.ITPによる出血傾向があるため生検は施行できなかった.ITP治療のための脾摘術と陥凹性病変に対する十二指腸部分切除を目的に,2001年1月5日当科入院となった.臨床検査成績では血小板数の著明な低下(4.0×104/μl)を認めた.
〔上部消化管内視鏡所見〕下十二指腸角より2~3cm肛門側の十二指腸第3部皺襞上に,約5mm大で辺縁隆起を伴う発赤調の陥凹性病変を認めた(Fig. 1a,b).色素撒布像にて辺縁は不整で陥凹内の一部に微細顆粒状の変化がみられた(Fig. 1c,d).本症例はITPを合併しており,出血のリスクが高いと判断し生検を断念した.
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