消化管病理基礎講座
リンパ腫に関する病理用語
西山 憲一
1
,
八尾 隆史
1
,
恒吉 正澄
1
1九州大学大学院医学研究院形態機能病理
pp.1187-1189
発行日 2001年8月25日
Published Date 2001/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103304
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非腫瘍性のリンパ組織
消化管に形成されるリンパ組織は,粘膜関連リンパ組織(mucosa-associated lymphoid tissue;MALT)と呼ばれる反応性の二次リンパ濾胞である.これは,明るく見える胚中心(germinal center)と,その周囲をとりまくmantle zoneから構成される(Fig. 1a).胚中心には胚中心細胞(centrocyte)や核片貧食マクロファージ(tingible-body macrophage)など,様々な細胞が存在している(Fig. 1b).また,mantle zoneのBリンパ球は,CD5陽性であり,この細胞由来のリンパ腫がマントル細胞リンパ腫(mantle cell lymphoma)で,しばしばMALTリンパ腫との鑑別が問題となる.mantle cell lymphomaはCD5陽性,cyclin D1陽性(MALTリンパ腫ではいずれも陰性)であることからも鑑別可能である.
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