学会印象記
第61回日本消化器内視鏡学会総会
鶴田 修
1
1久留米大学医学部第2内科
pp.958
発行日 2001年6月25日
Published Date 2001/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103260
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第61回日本消化器内視鏡学会総会は兵庫医科大学第4内科教授・下山孝会長のもと,「炎症・再生・癌化」をテーマとして5月10日(木)~12日(土)の3日間,神戸市,ポートピアランド内ポートピアホテルを中心に開催された.シンポジウム4(10セッション),パネルディスカッション9,ビデオシンポジウム6,ワークショップ3と多数の主題が組まれていたが,筆者は大腸腫瘍の診断と治療を中心に拝聴した.
第1日目の午前は,筆者が座長を務めたこともあり,大腸腫瘍の一般演題を聴いた.ここでは,パネルディスカッションⅧとの関係からか,拡大内視鏡に関する演題が多く,その多くは“拡大内視鏡は大腸病変の質・深達度診断に有用である”という結論で,微小病変では生検診断よりも質診断能が高いという発表もあった.われわれも拡大内視鏡を頻用しているが,成績はそこまで良好ではなく,何が違うためなのかよく理解できなかった.また,亀田病院消化器内科からは内視鏡検査後同日に注腸X線検査を行う,内視鏡的腸管洗浄注腸X線(colonoscopy assisted barium enema;CABE)を施行すれば,通常内視鏡の欠点を補え,深達度診断も含め,拡大内視鏡の必要性は感じないという発表があった.にわかには信じ難いが,X線検査が軽視されている現在ここまでX線に力を入れている施設は少なく,筆者の師匠である光島徹先生の施設ということもあり,心の中で拍手し,声援してしまった.
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