特集 消化管の画像診断―US,CT,MRIの役割
各論
US,CT,MRIを使った診断(精密検査)と治療効果の判定
5.回盲部
2)炎症
樋渡 信夫
1
,
渡邊 浩光
1
,
木内 喜孝
1
,
山崎 日出雄
2
,
江川 春延
2
,
伊藤 薫
3
,
野口 光徳
4
,
池端 敦
5
,
藤田 直孝
6
,
小林 剛
6
,
豊田 隆謙
1
1東北大学医学部第3内科
2東北労災病院消化器科
3東北公済病院消化器内科
4仙台社会保険病院消化器内科
5岩手県立中央病院消化器内科
6仙台市医療センター消化器内科
キーワード:
回盲部腫瘤
,
急性虫垂炎
,
大腸憩室炎
,
腸腰筋膿瘍
,
魚骨による膿瘍
Keyword:
回盲部腫瘤
,
急性虫垂炎
,
大腸憩室炎
,
腸腰筋膿瘍
,
魚骨による膿瘍
pp.391-399
発行日 1999年2月26日
Published Date 1999/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102989
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要旨 回盲部炎症の診断におけるUS,CT,MRIの有用性について,症例を呈示しながら検討した.急性炎症が激しく内視鏡検査や注腸X線検査を施行できない症例や,粘膜に顔を出さない腸管壁内外の病変が良い適応となる.回盲部に炎症があると,腸管壁は肥厚する.膿瘍はUSでは腸管外に境界不鮮明な低エコー像,CTでは低濃度域,MRIでは通常はT1強調像で低信号,T2強調像で高信号になる.急性虫垂炎では,USによる長軸像ではソーセージ様に弓状に腫大し,短軸像では高エコーの虫垂間膜を認める。虫垂粘液瘤は,境界鮮明な薄い壁に包まれた粘液を充満した囊胞性病変として描出される.患者への侵襲が少なく,経過観察するのに適している.
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