Japanese
English
今月の主題 Ⅱ型早期大腸癌肉眼分類の問題点
主題
早期大腸癌肉眼分類―私の診断基準
Issues in Macroscopic Classification of Early Colorectal Carcinoma: My Criterion in Diagnosis
渡 二郎
1
,
斉藤 裕輔
1
,
藤谷 幹浩
1
,
高後 裕
1
Jiro Watari
1
1旭川医科大学第3内科
pp.28
発行日 1999年1月25日
Published Date 1999/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102926
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1.肉眼型の判定
本来,肉眼分類は発育進展を考慮したものではなく,またX線像,内視鏡像,ルーペ像が一致していることが原則である.更に,診断医によってその分類が異なってもいけない.内視鏡像は空気量の違いにより,Ⅰ型がⅡa型になったり,高濃度の色素を用いるとⅡc局面ができる.X線像ではⅡC型でも必ず透亮像が描出されるし,陥凹面が描出できないこともある.ルーペ像も切除標本の伸展状態で変化する.すべての所見が一致することはむしろ少ないかもしれない.しかし,われわれ臨床医の立場では肉眼分類の判定は,X線像,内視鏡像を重視すべきと考える.内視鏡による空気変形は考慮に入れない.なぜなら,内視鏡像は腸管を伸展させた状態で判定しなければ,X線像で得られる所見と対比することができないからである.表面陥凹型とする病変は,内視鏡検査で空気変形を用いなくても,過伸展させた状態でも色素撤布を行えば陥凹の有無,深達度診断に有用な陥凹面の性状の判定は可能である.
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