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English
今月の主題 Ⅱ型早期大腸癌肉眼分類の問題点
主題
早期大腸癌肉眼分類―私の診断基準
Issues in Macroscopic Classification of Early Colorectal Carcinoma: My Criterion in Diagnosis
松田 圭二
1
Keiji Matsuda
1
1東京大学医学部腫瘍外科
pp.25
発行日 1999年1月25日
Published Date 1999/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102923
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肉眼型分類をFig.1に示す.Ⅰ型は,隆起の目立つ病変を言う.Ⅰp型は非腫瘍性粘膜から成る明らかな茎を持つもので,有茎性に相当する.Ⅰsは非腫瘍性粘膜から成る茎を持たないもので,広基起性または無茎性に相当する.Ⅰsp型は短茎性・亜有茎性に相当するもので,Ⅰp型とⅠs型の中間であり,短い茎を持った病変で基部のくびれとして認識される.
Ⅱ型は隆起の目立たない病変で,表面型と呼ばれる.Ⅱa型(表面隆起型)は,丈の低い扁平な病変である.Ⅱb型(表面平坦型)は,周辺粘膜に対してほとんど凹凸のないものである.Ⅱc型(表面陥凹型)は,浅いびらん程度の陥凹を呈し,陥凹部にも腫瘍腺管が存在するものである.Ⅱa+Ⅱc型は,周囲正常粘膜と段差の明瞭な丈の低い隆起で,一定の広さを持つ陥凹を有するもので,陥凹よりも隆起が主成分であるものとしている.対して,陥凹性病変が主体で,周囲にわずかに隆起を呈するものを,Ⅱc+Ⅱa型としている.Ⅲ型は潰瘍があり,その周りに,または一部に癌が併存するもので,大腸ではほとんどみられない.
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