Japanese
English
初心者講座 胃X線検査のポイント―私の精密検査法
3.前処置の工夫
Detailed Radiological Examination of the Stomach
西俣 寛人
1
,
瀬戸山 史郎
2
Hiroto Nishimata
1
1鹿児島大学第2内科
2鹿児島大学医学部臨床検査医学講座
pp.468-469
発行日 1991年4月25日
Published Date 1991/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102522
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
胃精密X線検査は,病変の存在部位がわかって行う検査であるために,その部位に適した前処置の工夫が可能である.精密検査時は病変部をバリウムで十分洗い,陥凹部にはバリウムを溜め,隆起部には隆起の周囲にバリウムを溜める必要がある.胃内にはX線検査の邪魔になる胃液と胃壁に付着した粘液とがある.少量の胃液であれば多量のバリウムで,胃壁にバリウムを均等に付着させることが可能である.しかし病変の存在部位によっては多量のバリウムを使用すると十二指腸側ヘバリウムが流出し,病変部が小腸と重なり精密検査ができなくなる部位がある.
多量のバリウムの使用が精密X線検査を難しくする部位は,前庭部と胃体前壁である.この部位では可能なかぎり,ゾンデを胃内に挿入して,胃液を除去して少量のバリウムでX線検査を行うことが良好なX線像を得ることにつながる.
ゾンデ挿入は患者にとって不快なものである.挿入時に苦しめると,粘度の高い胃液が多量に分泌される.ゾンデより胃液を吸収するときに,粘度の高い胃液は最後まで吸収されずに胃内に残ることがあり,X線検査時の邪魔になることが多い,今回はわれわれが行っているゾンデ挿入法について述べる.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.