Japanese
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初心者講座 胃X線検査のポイント―私の検査法
13.術後胃の撮影法
Radiological Examination of the Stomach: My Routine Practice
浜田 勉
1
Tsutomu Hamada
1
1順天堂大学消化器内科
pp.110-111
発行日 1991年1月25日
Published Date 1991/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102443
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1.検査前の基礎的事項
まず,残胃と手術前の胃との解剖学的位置関係を理解しておく必要がある.胃の幽門側部分切除術を施行した後である残胃は,通常の胃のC領域にほぼ相当する.したがって,残胃における縫合部,吻合部,残胃部の各部は,術前の胃のC領域では,それぞれ胃体上部の小彎を中心とした全周の3/4の部分,胃体上部の大彎を中心とした全周の1/4の部分,噴門部と穹窿部を合わせた部分に対応させることができる(Fig. 1).X線検査では,以上の各部を意識しながら撮り分けていく.
検査の前に初回手術時の病名,術式,術後の経過年数をできるだけ知っておくことが肝要で,これにより,潰瘍の術後では吻合部潰瘍に,胃癌術後10年以内なら断端再発や切り残しを考えて縫合部に,10年以上ならBillroth Ⅱ法では残胃の新生癌の可能性を考えて吻合部に検査の重点を決めることができる.
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