胃と腸 図譜
食道乳頭腫
小澤 俊文
1
,
和知 栄子
2
1慈山会医学研究所附属坪井病院消化器科
2慈山会医学研究所附属坪井病院病理科
pp.1418-1420
発行日 2011年8月25日
Published Date 2011/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102343
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1 概念,病態
食道乳頭腫は上皮性の食道良性腫瘍である.臨床的にしばしば遭遇し,病的な意義は薄く,一部の症例のみが報告されている程度である.食道乳頭腫のみではほとんどが無症状のため,内視鏡検査時に偶然発見されている.男女比は2 : 1で男性に多く,比較的中高年者に認められる1).好発部位は食道下部とされ,平均7mmと小さなものが多い.発見頻度は0.0722)~0.44%1)との報告がある.病因として,逆流性食道炎や裂孔ヘルニアに合併することが多いことから,酸逆流による慢性刺激が考えられている.また,1980年代になりHPV(human papilloma virus)の関与も報告されているが,現在では否定的とされる.
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