特集 良性腫瘍
基礎
乳頭腫
高木 実
1
,
石川 梧朗
1
1東京医科歯科大学歯学部口腔病理学教室
pp.721-729
発行日 1977年10月20日
Published Date 1977/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208557
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I.緒言
乳頭腫は被覆上皮より表面に突出して発育する良性の上皮性増殖物で,重層扁平上皮,立方・円柱上皮,多列(線毛)上皮,移行上皮,腺上皮から生ずる。乳頭腫は本来,成熟型上皮性新生物で真の腫瘍のみに用いるべき名称であるが,臨床的に用いられる"乳頭腫"という名称には真の腫瘍の他に,乳頭状増殖を示す非腫瘍性増殖物も含まれる。全身各所に種々の形態の乳頭腫が発生する。
頭頸部に生ずる乳頭腫性病変は皮膚,口腔,鼻腔,咽頭,喉頭,食道,外耳道など部位によつて発生様式や臨床像がやや異なるが,基本的にはこれらは同一である。本稿では1.乳頭腫,2.oralflorid papillomatosis,3.inverted papilloma,4.keratoacanthoma,5.papillary hypcrplasia,6.尋常性疣贅,7.伝染性軟属腫について記載する。
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