学会印象記
JDDW 2010(第18回日本消化器関連学会週間)―食道に関するテーマを中心に
河野 辰幸
1,2
1東京医科歯科大学大学院食道・一般外科学分野
2東京医科歯科大学医学部附属病院食道・胃外科,光学医療診療部
pp.189-190
発行日 2011年2月25日
Published Date 2011/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102136
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2010年のJDDWは10月13日(水)から16日(土)まで,パシフィコ横浜で開催されました.東京に勤務する私にとっては,片道1時間以内という大変ありがたい会場設定です.ただ,逆に近いがゆえに,診療や会議の合間に会場へ行き発表したり,ぜひ聴講したいセッションの途中で大学へ戻ったりという慌ただしい日々ともなりました.食道関係のポスターは初日から3日目まで,主題は3日目(と一部4日目)に集中していました.4日間のうち会場には会議などを含め3日間足を運べましたが,会場への出入りの激しさとも相俟って,あまり落ち着いて勉強することはできませんでした.
ポスター発表はじっくりと見てもらえるため,最新の研究報告を行うのに適した機会ですが,同時にその優劣が比較的はっきりと出てしまいます.食道に関して言えば,第1日目が消化器病,第2日目が内視鏡,第3日目が消化器外科関連となっていました.効率よくポスターを見ることができるよう配慮されていましたが,残念ながら短時間では十分な理解ができませんでした.欧米の学会におけるポスターに比べると,研究の背景から結論(まとめ)までの流れがわかりにくいものが少なくない印象でした.JDDWに限らずわが国におけるポスター発表は,その意義と重要性がまだ十分には理解されていないようで,内容はともかくポスターそのものの出来も余りよくないものがみられました.いつものことながら,自戒を込めて,ポスター発表を大切にしなければと思います.
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