学会印象記
JDDW 2009(第17回日本消化器関連学会週間)―大腸に関するテーマを中心に
永田 信二
1
1広島市立安佐市民病院内視鏡科
pp.166-167
発行日 2010年1月25日
Published Date 2010/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101846
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今年のJDDW(Japan Digestive Disease Week)は京都で2009年10月14日から17日の4日間行われた.立ち見が出るほどあふれる会場もあり少々暑さを感じたが,さすがに朝晩はひんやりと秋の気配を感じた.筆者は前日の外来で上部消化管出血の紹介が4件あり慌ただしかったが,処置を済ませ第1日目から参加した.今回は「胃と腸」編集室から腸の話題を中心にとのことで依頼を受けたこともあり,第2日目から印象記を書くこととする.
第2日目の午前中は当科からの演題も採用されており,ワークショップ12「大腸鋸歯状病変の取り扱いについて」に参加した.鋸歯状病変の臨床病理学的特徴のみならず,鋸歯状病変の意義も含めて検討が行われた.鋸歯状病変の病理組織分類や診断基準はいまだ統一されておらず,特にHP(hyperplastic polyp)とSSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)の診断は病理医により大きく異なるのが現状である.今後,鋸歯状病変各々の臨床病理学的意義を検討し,内視鏡診断を行ったうえで,まず病理組織分類,診断基準を早急に統一する必要があると考えられた.また,鋸歯状病変自体の癌併存率は通常の腺腫と比較し低いとの報告が多かったが,鋸歯状病変を有する場合,大腸癌発生のリスクが高いと報告した施設もあり非常に興味深かった.
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