消化管造影・内視鏡観察のコツ
〔内視鏡観察のコツ〕下部消化管―大腸色素法(コントラスト法・染色法)
前田 聡
1
,
今村 哲理
1
1札幌厚生病院胃腸科
pp.1695-1698
発行日 2008年10月25日
Published Date 2008/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101502
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はじめに
近年,大腸内視鏡検査の軸保持短縮法による挿入技術向上に伴う普及1)と,色素法の一般化,電子内視鏡の高画質化,拡大機能搭載機種の充実により,通常観察にて発見が容易な隆起型腫瘍以外に,発見困難な表面型腫瘍の発見率も高くなり,より精密な内視鏡診断が求められている.特に色素法は,大腸粘膜は消化性変化による修復を受けないことと,無名溝と呼ばれる規則性のある微細模様があるため,上皮性腫瘍は無名溝とは違う模様を呈するため有用である.
色素法ならびに拡大観察を併用することで,瞬時に上皮性・非上皮性の鑑別,腫瘍・非腫瘍の鑑別,腫瘍の深達度診断,内視鏡治療後の遺残・再発の有無など質的・量的診断が簡易・簡便かつ正確に行うことが可能となった2)3).色素法は大腸内視鏡診断ならびに治療には不可欠なものと考えられる.
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