Japanese
English
今月の症例
S状結腸憩室症に伴って発見された大腸sm癌の1例
Colonic sm Cancer Accompanied by Sigmoid Colon Diverticulosis, Report of a Case
藤澤 貴史
1
,
坂口 一彦
1
,
大西 裕
1
,
小池 隆史
1
,
竹田 彰彦
1
,
来住 稔
1
,
堀松 高博
1
,
前田 光雄
1
,
井上 英士
2
,
西上 隆之
3
Takashi Fujisawa
1
1石川島播磨重工業健康保険組合播磨病院内科
2井上内科医院
3兵庫医科大学第2病理
pp.256-258
発行日 2004年3月25日
Published Date 2004/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100435
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
〔患 者〕71歳,男性.主訴は軟便および腹部膨満感.高血圧などで井上内科で加療中,1998年4月より軟便,腹部膨満感が出現し,免疫学的便潜血反応も陽性であったため,当科で同年5月12日大腸内視鏡検査を施行した.S状結腸に群発する大腸憩室を認めた.スコープ挿入に難渋し,患者が強く疼痛を訴えたため,細径電子スコープに切り替えて全結腸を観察したが深部結腸に異常を認めなかった.直腸に扁平隆起を認めたのでEMRを施行したが,偶発症を起こしたため保存的に加療後,経過観察のため透視・内視鏡検査を行っていた.
〔大腸内視鏡所見〕1998年11月16日に細径電子スコープにて施行した全大腸内視鏡検査でS状結腸憩室の間に,深いひだに隠れて表面型腫瘍を発見した(Fig. 1a).腫瘍はスコープの挿入時には発見できず,抜去時にスコープが病変の肛門側のひだを押し下げるときのみ観察されるが,スコープのコントロールが極めて困難で,病変に色素をかけるのがやっとであった.腫瘍は軽度発赤調を呈する表面隆起型で,色素内視鏡では辺縁にわずかに正常粘膜を認め,表面は微細顆粒状で一部に不整陥凹を認めた(Fig. 1b, c).全体がなだらかに隆起していることから,sm癌と診断した.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.