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今月の主題 陥凹性小胃癌の診断―基本から最先端まで
序説
陥凹性小胃癌の診断―基本から最先端まで
Introduction
芳野 純治
1
Junji Yoshino
1
1藤田保健衛生大学第二病院内科
キーワード:
陥凹型胃癌
,
小胃癌
,
X線診断
,
内視鏡診断
Keyword:
陥凹型胃癌
,
小胃癌
,
X線診断
,
内視鏡診断
pp.739-740
発行日 2006年4月25日
Published Date 2006/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100360
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胃癌の大きさ
胃癌は病変の大きさが大きくなるに従い,様々な要素が付加され複雑な形態を呈するようになる.小さな胃癌の形態は胃癌の初期像を表すものとして検討されてきた.「胃と腸」の主題として,小さな胃癌を取り上げたのは5巻8号「診断された微小胃癌」(1970年),14巻8号「微小胃癌」(1979年),23巻7号「微小胃癌診断―10年の進歩」(1988年),30巻10号「微小胃癌」(1995年)がある.微小胃癌の大きさは5巻では長径10mm以下として検討されたが,それ以降の主題では5mm以下として検討され,3mmが臨床診断の限界とされる.現在では微小胃癌とは5mm以下の病変であり,小胃癌とは6mm以上で10mmまでの大きさの胃癌を指している.微小胃癌の診断は臨床診断の限界を極めることも目的として,新しい診断技術や治療法の開発に従い,その節目の時期に検討されてきた.その経緯については,30巻10号の序説「微小胃癌―過去・現在・未来」(岡崎幸紀)に記載されている.
さて,大きさが10mm程度になると,基本的な胃癌の所見を呈してくる.本主題では対象を小胃癌として,その形態,および10mm前後の大きさの陥凹性病変との鑑別診断が行われた.この程度の大きさの陥凹性病変は日常の診療において遭遇する頻度が高く,時に,良悪性の診断に苦慮することがある.
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