SCOPE
てい談 陽子線照射療法による癌治療への新しい挑戦
大菅 俊明
1,2,3
,
松崎 靖司
4
,
門奈 丈之
5
1相川内科病院
2癌研究会附属病院
3筑波大学
4筑波大学臨床医学系内科
5大阪市立大学医学部公衆衛生学教室
pp.609-617
発行日 1995年3月10日
Published Date 1995/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402910219
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門奈 昨年(1994年)の4月に新潟市で行われた第91回内科学会総会で,2日目にシンポジウムの2として「手術不適応癌の新しい治療」が組まれました.そこでは種々の手術不適応癌に対する各種の治療法に関する演題が発表されました.
ご承知のように,癌に関しましては,内科的な化学療法,免疫療法などを中心に,外科的,放射線医学的な治療がいろいろ行われておりますが,早期の癌を除いては,なかなか期待したような成果が得られていないというのが現状だと思います.そのような状況の中で,松崎先生,大菅先生は先に述べたシンポジウムの中で,「手術不能肝癌に対する新しい陽子線照射療法」という演題を発表しておられます.聞くところでは,陽子線照射療法は単に肝癌のみならず,他の癌に対してもかなりの効果があるということですので,本日は両先生に,陽子線照射療法とは何か,なぜ肝癌に効果があるのか,他の癌に対する具体的な治療効果はどうなのか,そして陽子線がなぜ癌に効くのか,そのメカニズムなどについて,いろいろお話をうかがいたいと思います.
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