今月の主題 白血病—研究と診療の最新情報
分子病態からみた病型分類
染色体転座と癌遺伝子の活性化
鎌田 七男
1
,
江口 真理子
1
,
Fouzia A. Shakil
1
1広島大学原爆放射能医学研究所血液学研究部門
pp.604-608
発行日 1993年4月10日
Published Date 1993/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402910101
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●近年,MLL-ENLキメラ遺伝子,MTG8-AML1キメラ遺伝子など,転座に関わる遺伝子が次々と決定されてきている.
●染色体転座に伴う癌遺伝子の活性化は,転写調節部位に変異を生じ特定遺伝子の発現が増殖されるもの,および転座により新しいキメラ遺伝子が形成され,その産物が異常な機能を有するものの2通りが知られている.
●細胞系列により特異的な染色体転座・特定遺伝子の関与が証明されてきており,これらによる白血病の病型分類も可能ではないかと思われる.
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