増刊号 臨床力UP! 耳鼻咽喉科検査マニュアル
Ⅵ 腫瘍の検査
4 染色体・遺伝子転座—唾液腺がんを中心に
稲垣 宏
1
,
齋田 昂佑
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科臨床病態病理学
pp.291-299
発行日 2017年4月30日
Published Date 2017/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201277
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●目的
・腫瘍遺伝子診断
・治療方針の決定
・患者予後の推定
●対象
染色体・遺伝子転座は主に腫瘍細胞で観察されるため,腫瘍病理診断の補助的検査として免疫染色とともに用いられる。耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の腫瘍としては,特に唾液腺腫瘍が多彩な組織像を示すため,病理診断が時に困難である。近年,多くの腫瘍特異的な染色体転座・遺伝子転座が唾液腺腫瘍に報告され,その有用性が高まっている。そのほか,軟部腫瘍や甲状腺腫瘍にも多くの染色体転座が報告されている。
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