増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
免疫学的検査
感染症関連検査
その他の微生物の抗原・抗体検査
マイコプラズマ抗体
吉田 秀雄
1
,
鳥飼 勝隆
1
1藤田保健衛生大学医学部感染症リウマチ内科
pp.588-589
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909950
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検査の目的・意義
マイコプラズマは自己増殖の可能な最小の微生物で,直径150nm程度の大きさである.マイコプラズマの最大の特徴は,一般細菌と異なって細胞壁を持たないことである.そのために治療のうえでは,細胞壁の合成阻害で作用するペニシリン系およびセフェム系抗生剤が無効である.ヒトより分離されるマイコプラズマは12種あまりが知られているが,最も分離頻度が高く,病原性が確定されているものはMycoplasma pneumoniae(以下Mp)である.Mp以外では,近年Mycoplasma hominis,Ureaplasma urealyticumなども非淋菌性尿道炎,卵管炎などの泌尿生殖器疾患および流産などとの関連について検討されている.
通常,マイコプラズマ抗体といえば,Mpに対する抗体をさすものであり,Mp感染症は小児,若年成人を中心とする急性呼吸器感染症の病原体として重要な位置を占めている.その他に髄膜炎などの神経系疾患,Stevens-Johnson症候群,関節炎などを起こすことがある1).
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