増刊号 図解 診療基本手技 第2集
救急手技
救急蘇生法
心マッサージ
青木 重憲
1
1茅ケ崎徳洲会総合病院・外科
pp.338-341
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909718
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心マッサージは心肺蘇生法ABCのC:Circulationに属し,これなくして突然死を救命することはできない.Eisenbergら1)が1979年に報告しているように,心停止から4分以内に傍に居合わせた人が一次救命処置(Bystander CPR:Cardiopulmonary Resuscitation)を始め,それに引き続き8分以内に二次救命処置が行われれば43%の救命率があるが,Bystander CPRが始まるのに8分以上かかれば救命率は数%にすぎない(表1)という事実から考えても,心停止を起こしているときには間髪をいれずに心肺蘇生を始めなければいけない.しかしながら,わが国ではBystander CPRはほとんど行われていないのが現状である.このため,われわれ医療従事者は自らが的確な心マッサージを行えることはいうまでもなく,さらに一般の人々にもきちんと教育,啓蒙できるように理解することが必要である.本稿では医療従事者が一般の人々に教育するときのことも念頭において基本的なことから述べる.
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