増刊号 図解 診療基本手技 第2集
診療手技
輸血・輸液法
血液型判定と交差適合試験
平野 武道
1
,
半田 誠
1
1慶應義塾大学医学部附属病院・輸血センター
pp.274-281
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909702
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1900年,LandsteinerらによってABO式血液型が発見されて以来,数多くの血液型が発見されてきた.血液型の表現型は国,人種によって出現率が異なる.赤血球の血液型抗原には免疫原として非常に強いものがあり,血液型不適合による副作用として,ABO式血液型不適合輸血でみられる即時性溶血(血管内溶血,IgM由来)と,その他頻回輸血,あるいは妊娠などの二次免疫によって生じる遅延性溶血(血管外溶血,IgG由来)がある.このような重篤な副作用を防止するためには,血液型の正確な判定と抗体スクリーニングをセットで検査し,交差適合試験を実施することにより,輸血の安全性の向上を図る必要がある.
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