今月の主題 最新の肺癌診療
的確な診断
経気管支穿刺吸引法,縦隔鏡検査の有用性と限界
楠 洋子
1
,
福岡 正博
1
1大阪府立羽曵野病院・第2内科
pp.426-428
発行日 1991年3月10日
Published Date 1991/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909608
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肺癌の病期決定に際し,縦隔リンパ節転移の有無は手術適応を含め,肺癌治療の選択と予後の重要な因子となる.CTやMRIを含む画像診断の進歩により,縦隔リンパ節腫大の診断率は著しく向上したが,その正診率は必ずしも高くない.病理学的に縦隔リンパ節転移を証明する方法として,経気管支鏡的に穿刺針を用い,気管・気管支壁を通してリンパ節を穿刺吸引して細胞を採取する方法(transbronchial aspiration cytology:以下TBAC)と,縦隔鏡を用いて直接組織を生検する縦隔鏡検査(mediastinoscopy)とがある.
縦隔リンパ節の中でも気管分岐部リンパ節(#7)への転移は手術適応を決める上で重要であり,転移の頻度も手術例の51%と高率にみられる報告もある1).
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