今月の主題 白血病—最新の知見と治療
疫学と病態
白血病と癌遺伝子
池田 健
1
,
川上 恵基
1
,
北 堅吉
1
1三重大学医学部・第2内科
pp.566-567
発行日 1990年4月10日
Published Date 1990/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909513
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癌遺伝子とは,細胞を癌化しその状態を維持する蛋白質を指令する遺伝子のことであり,血液学研究においても,Philadelphia(Ph1)染色体陽性白血病におけるc-abl遺伝子や,Burkittリンパ腫(BL)におけるc-myc遺伝子など染色体異常に伴い活性化される例や,ras遺伝子にみられる点突然変異による活性化などがよく知られている.このような疾患特異的に変化をきたすものは,Polymerase Chain Reaction(PCR)法など分子生物学的応用を行うことにより臨床的価値をも獲得しつつある.ここでは,解析の進んでいる数種の癌遺伝子につき概説する.
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