呼吸器疾患診療メモ
ベッドサイド呼吸器病学(3)—胸部理学所見による呼吸器疾患のオリエンテーション
宮城 征四郎
1
1沖縄県立中部病院
pp.348-350
発行日 1990年2月10日
Published Date 1990/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909507
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1761年にAuenburgerが打診法を,そして1816年にLaennecが聴診法を臨床呼吸器病学に導入して以来,呼吸器疾患の診断法は大きな進歩を遂げ,1895年にRoentgenがX線を発見するまでは,ほとんどこの手法のみにより呼吸器疾患の診断がなされていたといっても過言ではない.逆に今日では胸部理学所見による疾患のオリエンテーションは蔑ろにされ,超近代的な診断機器を駆使した診断法に頼る傾向が強い.しかし現実には,胸部理学所見を無視した呼吸器疾患の診断には物理的・経済的・時間的な無駄が多く,しかも失見当識的であることを銘記しなければならない.
胸部理学検査は嗅,視,触,打,聴の五感を駆使し,患者の状況に応じ臨機応変に組み合わせながら行うのが一般的である.
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