講座 図解病態のしくみ 循環器疾患・20
心筋炎
杉下 靖郎
1
1筑波大学臨床医学系・内科
pp.316-322
発行日 1990年2月10日
Published Date 1990/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909501
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心筋炎の本態・病態については,なお不明な点が少なくない.心筋炎の臨床像は多様であり,不顕性にとどまるものから,早期よりAdams-Stokes症候群を伴う房室ブロック,ショック,心不全,あるいは突然死をきたすなどのために,高次の救急医療を要する場合まであり,本症の存在の確認法,本症の病態に対する知識の必要性が増している.また,その自然歴において,心筋症,とくに拡張型心筋症(DCM)との成因論的関連も,近年ますます注目されている.
そのような意味から,本邦においても,厚生省特定疾患特発性心筋症調査研究班の研究の一環として,本邦における心筋炎について全国的アンケート調査がなされた.以下に,これらの成績を中心に1〜3),わが国の心筋炎について述べる.
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