カラーグラフ 消化管内視鏡検査—知っておきたい基礎知識・18
鋸歯状腺腫
松本 主之
1
1九州大学医学部附属病院光学医療診療部
pp.1047-1049
発行日 2002年6月10日
Published Date 2002/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908755
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鋸歯状腺腫とは
大腸ポリープとして発見される隆起性病変の大部分は,過形成性ポリープないし腺腫で,後者の一部が癌化すると考えられてきた.一方,1990年にLongadreとFenoglio-Preiser1)が,従来の腺管腺腫や絨毛腺腫とは組織学的に異なった良性上皮性腫瘍の存在を提唱し,鋸歯状腺腫と命名している.
鋸歯状腺腫の組織学的特徴は,過形成性ポリープに類似した鋸歯状腺管と,通常の腺腫に類似した腫瘍性変化(核小体の明瞭な核の重層化と未熟な杯細胞)に要約される.鋸歯状腺腫に関する研究はいまだ日も浅いが,大腸内視鏡検査が広く普及し,発見頻度が増加したことで臨床病理学的特徴が明らかになりつつある.
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