今月の主題 頭痛とめまい—外来診療ガイド
頭痛診療のポイント
脳腫瘍,脳血管障害の頭痛
内潟 雅信
1
1公立昭和病院神経内科
pp.942-943
発行日 2002年6月10日
Published Date 2002/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908729
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ポイント
突然発症する頭痛は,頭痛の程度に関係なく,くも膜下出血を疑う.
くも膜下出血は,早期(24時間以内)に再発しやすく,また,致命的になることがある.
くも膜下出血のほとんどは,早期のCT検査で診断可能であるが,約10%は異常を示さない.この場合,腰椎穿刺が必要.
くも膜下出血発症早期の髄液は血性〜黄色調を呈すが,1〜2週経つと陰性のことがある.
高齢者,大酒家,血液透析患者が,頭痛のほか意識レベル低下,性格異常,片麻痺などを呈し,かつ症状に変動性を示す場合は慢性硬膜下血腫を疑い,速やかにCT検査を行う.
小脳出血は頭痛をきたしやすく,さらに嘔気・嘔吐を伴う.この点からくも膜下出血との鑑別を要す.いわゆる小脳症状を呈することは少ないので注意を要する.
脳梗塞は,脳出血に比し頭痛を呈することは少ないとされるが稀ではない.一過性脳虚血発作でも約1/4に頭痛を伴う.頭痛で始まる(頭痛を伴う)脳梗塞の場合,原因として動脈解離を念頭に置く.
脳腫瘍例の頭痛の特徴は,起床時に嘔気・嘔吐を伴って出現すること(目覚め型)である.
脳腫瘍の経過中,突然頭痛が出現するときは腫瘍内出血を疑う.
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