増刊号 CT・MRIアトラス—正常解剖と読影のポイント
骨・軟部
各論
手関節
荻 成行
1
,
入江 健夫
1
,
福田 国彦
1
1東京慈恵会医科大学放射線医学講座
pp.366-370
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908417
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正常解剖
骨(図1〜5)
手関節を構成する骨は,橈骨と尺骨の遠位端,手根骨,中手骨で,これらの骨とその周囲の多数の靱帯により,5つの関節,すなわち,遠位橈尺関節,橈骨手根関節,豆状三角骨関節,手根間関節,手根中手関節が構成される.橈骨手根関節の近位側は橈骨遠位端と三角線維軟骨複合体(triangu—lar fibrocartilage complex:TFCC)からなり,遠位側は舟状骨,月状骨,三角骨の近位手根骨から構成される.手根間関節は可動性の小さい各手根骨間の関節と可動性の大きい手根骨近位列(舟状骨,月状骨,三角骨)と手根骨遠位列(大菱形骨,小菱形骨,有頭骨,有鉤骨)間の手根中央関節の2つからなる.豆状三角骨関節は三角骨掌側と豆状骨背側からなる関節包を有する独立した関節である.手関節の掌背屈,橈尺屈運動には橈骨手根関節と手根間関節が関与するが,豆状三角骨関節は関与しない.
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