今月の主題 症例から学ぶ水電解質・酸塩基平衡異常
症例・Ca・P代謝異常,その他
筋肉内腫瘤を伴った長期血液透析患者の高Ca血症
塚本 雄介
1
1森下記念病院健康管理センター
pp.922-925
発行日 2000年6月10日
Published Date 2000/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907498
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【症例】57歳,男性.1979年に慢性糸球体腎炎による慢性腎不全のため血液透析を導入.80年代には活性型ビタミンD3剤および水酸化アルミニウムゲルを服用していた.80年代後半からリン吸着剤は沈降炭酸カルシウム剤に変更された.1992年12月頃から上背部と腎部に皮下腫瘤を自覚,腫瘤は弾性硬で軽度圧痛を伴い次第に増大した.1993年3月,さらに鼠径部のリンパ節腫脹と軽度発熱に伴い血清Ca濃度が11.0〜13.5mg/dlと上昇した.活性型D3剤とCa剤は中止されたが,血清Ca濃度は低下しなかった.皮下腫瘤は,CT所見および生検によりサルコイド結節およびそれに伴う異所性石灰化と判明した(図1).中手骨および頭蓋骨X線では骨膜下吸収像は見られない.
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