内科エマージェンシー 私の経験
忘れられない心房細動の3症例
宇野 史洋
1
1組合立東陽病院内科
pp.299
発行日 1998年10月30日
Published Date 1998/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907141
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高齢者の多い病院勤務のためか,臨床では無症状の心房細動(以下,AF)患者に遭遇する頻度は多い.その大部分は,高血圧などの他疾患で外来通院している場合がほとんどで,AFのみで加療することは極めて稀である.AFと関連した3症例についての経験を述べたい.
1例目は66歳男性.AFで外来観察中,ARDSを併発し,1カ月に及ぶ集中治療の結果に命を取り留めた.生還を喜びながら,また通院していたのも束の間,パナルジン®200mg/日服薬していたにもかかわらず,脳塞栓にて1年後に死亡.無症状のAFに,ワーファリン®を投与すべきだったのか? 血栓予防における抗凝固剤の投与効果に疑問と限界を感じさせられた症例である.
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