カラーグラフ 内科医が知っておきたい眼所見・1【新連載】
糖尿病と眼(1)
北野 滋彦
1
1東京女子医科大学糖尿病センター眼科
pp.1820-1822
発行日 1998年10月10日
Published Date 1998/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907031
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糖尿病は,インスリンの作用不足によって慢性的に高血糖が持続し,全身に様々な代謝異常を起こす疾患である.糖尿病から生ずる代表的な合併症として細小血管症があげられ,糖尿病性腎症,糖尿病性神経症とならび,糖尿病網膜症(以下,網膜症)は,糖尿病の三大合併症と称されている.しかし,糖尿病による眼合併症は網膜症に限られるものではなく,糖尿病の細小血管障害や神経障害を基盤として,眼科領域のあらゆる部位に何らかの病変をもたらしている.表1は,筆者らの施設を初診した糖尿病患者について,糖尿病による眼合併症とその頻度をまとめたものである.当然のように,糖尿病患者が白内障や網膜症を合併する頻度は高い.しかし,頻度こそ少ないが,糖尿病により眼に多彩な病変を併発することが示されている.これら病変のなかには,重篤な視覚障害を引き起こすものもあり,糖尿病を管理するうえで留意する必要がある.
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