今月の主題 腎・尿路系の問題とマネジメント
基本的診断法
画像診断
津ヶ谷 正行
1
,
伊藤 尊一郎
1
,
梅本 幸裕
1
1豊川市民病院泌尿器科
pp.1159-1163
発行日 1998年7月10日
Published Date 1998/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906871
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
ポイント
●腎・尿路系疾患において,超音波断層検査(US)では肋骨によって腎の十分な観察ができないこともあり,さらに中部尿管の観察ができないこと,また膀胱の観察には適度な尿の貯留が必要であるなどの診断上の限界がある.しかし,USによって腎・尿路系疾患の診断上の方向性を決めるのに有力な情報が得られる.
●尿管結石の診断には,結石による上部尿路の通過障害すなわち水腎症の確認が重要で,疝痛発作時にUSを行う.疼痛消退後では水腎症は消失することが多い.
●腎細胞癌は単純性腎嚢胞や多房性腎嚢胞に類似した画像所見を呈することがあるため,注意深い鑑別が必要である.
●腎血管筋脂肪腫の画像診断では脂肪成分の存在が重要で,USでhigh echo,CTでlowdensityな腫瘤として描出される.
●膀胱癌を発見するのにUSは有用である.一方,浸潤度の診断にはMRIが優れている.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.