増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
細菌検査
検体別同定検査各論
外科的検体
草地 信也
1
,
炭山 嘉伸
1
1東邦大学医学部第3外科
pp.702-703
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906536
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外科領域の感染症は,皮膚の表在性感染症や穿孔性腹膜炎などの一次感染症と術後感染の二次感染症に分けられる.一次感染症では,細菌検体は腹腔や胸腔,または表在性の膿瘍から採取されるが,そのほとんどは各部位の常在細菌であり,薬剤感受性からみても耐性菌は少ない.二次感染のうち,術後感染のほとんどは,術野感染〔創内感染,手術部位感染(SSI:surgical site infection)〕と呼ばれる創感染と腹(胸)腔内膿瘍である.この原因菌は消化器外科領域では,手術操作で開放となった消化管内の常在菌であり,菌量は多い.術野感染からの分離菌は,術後感染予防の目的で投与された抗菌薬に対する耐性菌であることが多く,薬剤感受性検査がその治療に有益な情報を提供する.いずれの検体でも嫌気性菌が関与することが多いため,検体の採取には嫌気性検体輸送容器で素早く採取することがポイントである.
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