特集 人口減少時代の病院
病院としての将来像
飯塚病院―優秀な若者を惹きつける教育病院
田中 二郎
1
1飯塚病院
pp.698-701
発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101257
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2005年の「人口動態統計」は,統計を取り始めた1899年以来,初めて出生数が死亡数を1万人下回る自然減を報告した.合計特殊出生率は1.26を記録した後,2007年には1.32とやや回復したものの,自然増と自然減の境界値とされる2.08には遠く及ばず,日本はここに人口減社会に突入した.人口減社会の入り口は少子高齢化社会であり,高齢者の増加により医療需要が増加するのに対して,医療提供体制を担う若年労働力が減少する.少子化というトレンドのなかで今後の病院,ことに職員の過重労働が問題となっている急性期病院は,医療提供の担い手たる医師・看護師らマンパワーの確保が大きなテーマであり続けるであろう.いまや,日本の病院は患者に選ばれる前に,働く者にとっていかに魅力的であるかが問われる時代となったのである.
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