増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
一般検査
総論
一般検査総論
只野 壽太郎
1
1佐賀医科大学検査部
pp.54-57
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906249
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一般検査の役割
医学のなかに臨床検査が独立した学問として登場したのは古いことではない.しかし歴史を振り返ると,すでにヒポクラテスの時代に,現在の一般検査項目の一つである尿や糞便検査の記述がみられる.ヒポクラテスは,病気はその予後と診断を知ることが大切であるとし,その手段として尿と糞便の詳しい観察を勧めている.
このあと,特に尿検査は盛んに行われ,尿検査の大家としてカービト2世が現れた.中国でも紀元300〜600年当時発行された医書に,尿の着色異常,混濁異常の記載がみられ,また中世のヨーロッパでは尿検査が必須の診断技術として定着していたことが,当時の宗教画にしばしば尿検査をする尼僧の姿がみられることからも知ることができる.
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