今月の主題 慢性呼吸不全に必要な基礎知識
慢性呼吸不全の日常管理
薬物療法
蝶名林 直彦
1
1聖路加国際病院内科
pp.974-978
発行日 1999年6月10日
Published Date 1999/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906070
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●基礎疾患の違いとともに,まずその病態が安定しているかどうかを念頭に置く必要があり,共通した病態として呼吸不全以外に,①気道閉塞,②気道感染,③肺性心などがあげられる.
●吸入薬は外来での管理の中心となるものであり,近年携帯用の定量噴霧式吸入器(metered dose inhaler:MDI)が一般的に用いられる.
●気道感染の起炎微生物としては,疾患により異なるもののH. influenzae(インフルエンザ桿菌),S. Pneumoniae(肺炎球菌),S. aeruginosa(緑膿菌),S. aureus(黄色ブドウ球菌),B. cataralis(モラクセラ・カタラーリス)が多い.なおペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)の頻度は,ここ数年急速に増加している.
●抗菌薬に他剤との相互作用があり,留意しなければならない.
●特に肺結核後遺症による慢性呼吸不全では,日常管理においては脱水や電解質に留意しつつ,ループ利尿剤(ラシックス®)を用いる場合もある.
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