今月の主題 高脂血症と動脈硬化
クリニカル・ワークショップ
高脂血症の臨床と治療目標
寺本 民生
1
,
白井 厚治
2
,
佐々木 淳
3
1帝京大学医学部内科
2東邦大学佐倉病院臨床検査医学
3福岡大学医学部第2内科
pp.503-512
発行日 1999年3月10日
Published Date 1999/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905960
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寺本(司会) 1997年の暮れにわが国の動脈硬化学会のガイドラインが発表されました.その背景には,薬剤の開発による治療法の進歩があると思いますが,もとをたどれば,高脂血症の病態解明そのものがだいぶ進んだということもあります.治療法の開発の結果,高脂血症の治療が動脈硬化の予防につながるといういくつかのevi-denceが出てきていて,今回のガイドラインはそれに基づいた形で作成されています.
ところでガイドラインというのは,基本的には一般診療における指針を明確かつ簡便に記したものです.しかし,それを実際にどう使うかとなると,やはり個々の症例において考えていかざるを得ません.つまり実際の臨床では,目の前の患者さんにガイドラインのどこに当てはめて,どう考えていくかとなると,なかなかうまく合わない部分もあるわけです.そこで本日は,具体的に症例をみながら,実際の診療でどうマネジメントしていくかについて,先生方にご意見を伺っていきたいと思います.
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