増刊号 Common Drugs 350の投与戦略
神経・筋疾患治療薬
レボドパ(パーキンソン病・パーキンソン症候群治療薬)
ネオドパストン(三共)=メネシット(萬有)/イーシー・ドパール(協和発酵)=ネオドパゾール(第一)=マドパー(ロシュ)
杉田 之宏
1
,
水野 美邦
1
1順天堂大学医学部神経内科
pp.180-181
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905517
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臨床薬理
●作用機序:L-dopaによる治療は,パーキンソン病の線条体で欠乏しているドパミン(DA)をその前駆物質であるL-dopaの投与により補充するもので,本症治療の基本である.L-dopaは脳内に入り,黒質線条体DAニューロンに取り込まれDAとなり,治療効果を現す.しかし,L-dopaの95%以上が末梢組織のドーパ脱炭酸酵素でDAに変化してしまい,これによる高率の副作用の出現が問題となる.ドーパ脱炭酸酵素阻害薬(DIC)であるカルビドパ,ベンセラジドは脳内に移行せず,選択的に末梢のドーパ脱炭酸酵素を阻害する.DICの併用には,①L-dopaの内服量を1/5量に減量し得る,②効果の発現が早い,③血中濃度が安定維持できる,④消化器・循環器系副作用が少ない,などの利点がある1).なお,カルビドパとベンセラジドでは効果に本質的な差異はみられない5).
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