増刊号 Common Drugs 350の投与戦略
循環器疾患治療薬
不整脈治療薬
メキシチール(日本ベーリンガー)
副島 京子
1
,
小川 聡
1
1慶應義塾大学医学部呼吸循環器内科
pp.58-59
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905424
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臨床薬理
●作用機序:Ib群はINaをブロックし,プルキンエ系,心室のVmaxを抑制する.正常組織よりも異常組織内の伝導を抑制する.また不活性化Naチャネルと結合するとされているが,その解離速度が早くAPDを短縮し,またuse-depen—dent blockを呈する.したがって,洞調律時には伝導抑制はほとんどなく,頻脈時にのみ作用を有するという好都合な特徴がある.
●吸収・分布・代謝・排泄:2〜4時間が血中濃度のピークである.吸収率はほぼ100%で,肝臓で約10%が代謝される(first pass effect).急性心筋梗塞では吸収が不完全で血中濃度のピークは4〜6時間である.肝臓で代謝される.クリアランスは肝硬変では著明に低下するが,心不全,腎不全ではほとんど正常である.また,血液透析にても除去されない.催奇形性は動物においては認めないがヒトのデータはない.乳汁中に分泌される.
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