増刊号 Common Drugs 350の投与戦略
循環器疾患治療薬
不整脈治療薬
アミサリン(第一)
副島 京子
1
,
小川 聡
1
1慶應義塾大学医学部呼吸循環器内科
pp.54-55
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905420
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臨床薬理
●作用機序:Vaughan Williams分類のクラスIa群のNaチャネルブロッカーである.I群抗不整脈薬は,Naチャネルを遮断することにより心筋内の興奮伝導を抑制する.薬剤とチャネルとの結合解離速度はチャネルの状態により修飾される(modulated channel theory).プロカインアミドはチャネルとの解離速度が遅く,拡張期にチャネルから十分に解離しない.したがって,薬物と結合するチャネルの数は興奮回数に依存して増えるため,ブロックの程度も増加する(use-dependentblock).つまり,活動電位第0相の立ち上がり(Vmax)をuse-dependentに遅延させる.心房,心室,副伝導路の活動電位持続時間の延長作用も有し,不応期を延長する.自動能の抑制作用も有する.プロカインアミドは,同じIa群のキニジンやジソピラミドに比較して抗コリン作用が弱く,QT延長の程度も少ない.交感神経抑制作用を有するがその機序は不明である.体表面心電図ではPR,QRS,QTともに延長する.
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