増刊号 Common Drugs 350の投与戦略
循環器疾患治療薬
β遮断薬(降圧薬・狭心症治療薬・不整脈治療薬)
インデラル(住友,ゼネカ)
横田 慶之
1
1神戸大学医学部保健学科
pp.41-43
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905408
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現在β受容体はβ1,β2,β3の3つのサブタイプに分類されており,β1受容体の刺激は心機能促進,腸平滑筋弛緩,脂質分解促進,レニン分泌促進に働き,β2受容体の刺激は気管支・血管平滑筋の弛緩,骨格筋収縮促進,インスリン分泌促進に働く.また,シナプス前β2受容体の刺激はシナプスからのノルエピネフィリン分泌を促進させる.ただ,これらのサブタイプの局在は臓器特異的なものではなく,心臓にもβ2受容体が存在しており,効果器への作用の違いはβ1,β2受容体の分布率の差に基づいている.従来よりβ遮断薬の分類としてPrichardの分類1)がよく用いられている.すなわち,β1,β2受容体の両者を非選択的に遮断するものをⅠ類,β1選択性のものをⅡ類,α遮断作用を併せもつものをⅢ類とし,これら3類を内因性交感神経系刺激作用(ISA)と膜安定化作用(MSA)の有無により1群(ISA+・MSA+),2群(ISA−・MSA+),3群(ISA+・MSA−),4群(ISA−・MSA−)とする分類である.
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