話題の新薬
ノイキノン(エーザイ)
石山 太朗
1
1阪大第3内科
pp.136-137
発行日 1978年1月10日
Published Date 1978/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207720
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ノイキノンはCoenzyme Q10(一般名ユビデカレノン)を有効成分とする薬剤であり,その主たる作用はエネルギー代謝賦活作用であると考えられる.心筋は骨格筋とちがい,昼夜たえまなく拍動を続けているので,収縮に必要とするエネルギーは莫大である.したがって,病態心を心筋代謝面から考えるとき,エネルギー産生障害が容易に生じ,このことが重篤な心機能障害を惹起するであろうことが考えられる.
では生体内でのエネルギー産生機構はどうなっているのであろうか.エネルギー産生系の中心となるTCAサイクル(図1)では脱水素反応が起こっている部位で,水素イオン(電子)が図2に示す電子伝達系に受け渡され,この系では酸化反応とそれに共役した燐酸化反応が行われ,生じたエネルギーがアデノシン3燐酸(ATP)の形で貯えられる.
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