今月の主題 肝疾患Q&A
肝疾患の治療
IFN療法が有効な症例をどう見つけるか
折戸 悦朗
1
,
溝上 雅史
1
1名古屋市立大学医学部第2内科
pp.496-499
発行日 1996年3月10日
Published Date 1996/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905002
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ポイント
●C型慢性肝炎に対するインターフェロン(IFN)療法が行われているが,著効となる例は30〜45%にすぎない.したがってIFN療法を行う場合,治療前にその有効性を予測し,適応や用法・用量を検討していくことが重要である.
●現在のところ,治療前血清ウイルス量,HCV genotype,肝線維化などが臨床的に治療効果予測のマーカーとして用いられている.また,IFN治療開始早期のHCV RNAの消失の有無も,その後の治療効果を反映しており有用である.
●したがって,IFN療法が有効と予測される症例群を見極めるためには,まずC型慢性肝炎であることを正確に診断すること,次に血清ウイルス量を定量すること,そしてウイルス量が低値であれば肝生検にて肝の線維化をみた後,十分著効が予測できそうな症例に対しては積極的にIFN療法を勧めていくことが重要である.
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